
やさしいヨセのあとがきに書いた幻の一題です。

このままで「3目」の黒地です、というのが、昭和の時代までの「日本棋院囲碁規約」にあった「取らず3目」の規定となります。
この問題図の右上を下図のように「3目の地」にしてしまえば、この問題と解答・解説は現代の「日本囲碁規約」でもそのまま使えることになります。

解答については後日、発表いたしますので「やさしいヨセ」本編終了後、オマケの一題としてお楽しみください。
愚形の代表、陣笠とアキ三角を取り上げています。
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┼┼●A┼┼┤
┼B○●○┼┤
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ここでAにつなぐのか、愚形に耐えられないとBにアテて形を作るのか。
もしAの段階にいるのなら
「今日から宗旨変えをしてください。そこには大きな飛躍があり、見違えるように洗練された碁が打てるようになるはずです。」
とのことです。確かに、ここでAにつながなくなるとすれば、これは大きな大きな飛躍ですね。
実践例に挙げられた、愚形をめぐるプロ同士の差し手争いの様子が印象的です。
「碁の戦術 」のテーマ2は「ノゾキ」です。
アタリがアマチュアの悪手の横綱なら、ノゾキは大関。
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黒1のノゾキがどんなひどい味消しか...は、示された2つの例をみてびっくり。
そんなことに影響があるなど、なかなか思いつきません。
味消しの他に一手遊ぶ例。
打ってもいいノゾキとは?
定石手順中、打たれなくなったノゾキの例。
藤沢秀行棋聖(当時)の打った味わい深い実戦進行。
など。
「碁の戦術 」のテーマ1は「アタリに注意」です。
アマの碁の最大の欠点=無意識のアタリ
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1~3が今回の主役。
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この図の1~3のなんでもない応接に含まれる、味わうべき大切な「碁の原理」とは?
そして、打ってもいいアタリとは??
お陰様で好評をいただいている「碁の戦術」とは、いったいどのような本なのでしょう。
碁の戦術 (マイコミ囲碁文庫シリーズ) | |
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まずは目次です。
テーマ1 アタリに注意
テーマ2 ノゾキ
テーマ3 石の形
テーマ4 定石の運用
テーマ5 三線と四線
テーマ6 石の調子
テーマ7 手順
テーマ8 サバキ
テーマ9 軽く打つ
テーマ10 相手の石を重くする
テーマ11 利かした石
テーマ12 利き筋
テーマ13 利かし~そのタイミングと反発
テーマ14 取り方・取らせ方
テーマ15 先手と後手
テーマ16 手筋
テーマ17 応手を問う
テーマ18 手割り
テーマ19 スソあき
テーマ20 サガリとコスミツケ
テーマ21 肩ツキ
アタリ、ノゾキといった、いかにも基本的な話に始まるのですが、後半の「利かし」「応手を問う」「手割り」といったテーマからうかがえるように、まさに「プロの思考法」が紹介されています。
ヨミの力はコツコツ、トレーニングを積んでいくしかない。
考え方・発想は、もしかすると一瞬で変わることがあるかもしれない。
今までいちども触れたことのない考え方を知れば...ゼロ→?
その効果は計り知れない。
囲碁の総合力が、ヨミの力と考え方の組み合わせとするならば...この本は大きな飛躍をもたらす可能性がある...そう思いませんか?